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■みどりちゃんの西遊記11 (『東海国際新聞』96.12月号)
【信じてもらえない日焼け】
木枯らしが吹き荒ぶこの季節に一番似合わないお話をひとつ。
学校の春節休みに海南島へ旅行した。三亜、海口の二大都市と天涯海角、鹿回頭など観光名所で有名な、中国最南端の島。亜熱帯気候で冬でも海水浴ができる。一月半ばで最高気温28℃。南方風の顔だち、褐色の肌。やしの並木。まさに南国だ。
一日目の大東海海水浴場。見事に晴れ、遠くの水平線までよく見えた。物売の子供たちが小さな貝殻二つで1元と言っていたのが、話をしているうちに20個5元になった。同行の友人はマリンジェットを楽しんだ。慌ただしかった留学生活が嘘のよう。が、一日のんびり遊んだ罰か夕方には肌がひりひりしてきた。私はもともと日焼け止めは必需品。日本からわざわざ持ってきたのに、なんと天津に忘れてきてしまったのだ。
それでも翌日も痛いのをがまんして泳ぎに行った。二日目の牙龍湾は大東海より水がきれいで砂浜は歩くとキュッ、キュッと鳴く。だが日焼けでそれどころではない。実はこの日タクシーに置き去りにされた。往復80元だと言う運転手に往路分40元払っておいたら帰りにはいなくなっていた。交通の便の悪い場所、流しのタクシーなど通らない。痛みとショックでどうやってホテルに帰ったか思い出せない。ただ、ホテル近くで火傷の薬を買ったことだけは覚えている。
翌日、痛くて動けなくなった。四日間海南島に滞在したうち、後の二日はホテルの小姐がシーツ交換に来てくれるのも断わり、ほてりのおさまらない足に水をかけ、薬を塗り、朝まで眠れなかった。香港のスターTVが受信でき、日本のドラマの中国語吹替版や音楽番組を見られたのがせめてもの救いだった。
天津に戻って病院に行った。ところが、どんなに「日焼け」だと言ってもお医者さんは信じてくれない。海南島など知らない、冬に海水浴なんてと「わけのわからないことを言う外国人」にされてしまった。広い国のこと、一般庶民には望むべくもないリゾート地海南島を知らない人がいてもおかしくないのかもしれない。完全に火傷だと思ったようだ。それから一週間ほど過ぎると、かさぶたのような茶色い分厚い皮がはがれてきた。その下の皮膚は普通の肌色。水膨れにはならなかった。海南島ですぐ薬を買い塗ったのが幸いしたようだ。何の縁か天津のメーカーの「京万紅」という薬。最近、火傷をして病院に行ったらこの薬とよく似た色と匂いの薬を塗ってくれた。確かに効く。が、これこそ火傷の証明、日焼けだと信じてもらえないのもわかるような気がする。
結局完治するのに二週間。その間、何もできなかった。皆さん、海南島へ行くなら日焼け止めを忘れずに。
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